ギャッベの絨毯とは何なのだろうか

ギャッベとはもともとペルシア語でざっくりとしたという意味を表す語で、イランの南西部の山脈一帯に住む遊牧民によって織られている毛足の長い絨毯の事をいいます。

自分たちの育てた羊の毛から糸を紡いで、自生する草木で色を染めて手織りで織るという非常にシンプルなやり方で、家族で受け継がれながら使われてきたのです。

近年欧米を始めとしてアートとしての魅力が開花し、ユネスコの文化遺産に登録されたことによりその伝統的な価値に注目が集まり出しました。

自然を見つめよという教えからまっすぐに直線的なものは1つもありません。

またその教えにもとづいているからこそ、自由でアート的な面に優れているのだという事も言えます。

1本1本織り込まれる色達は少しずつ自然な色合いの変化と織り手の個性を表し始め、そのようにして生まれるゆらいでいる事や色合いはいつしか私達を優しく暖かな世界へと導いてくれるのです。

縦糸に1本1本糸を結び付けていく手法で、もともとテント生活をするために地面に敷いて使われる要素があるため、毛足の長さをあえて長めにして独特の感覚と弾力を生み出しています。

日本ではあまりソファには座らずに地べたに体を横向ける暮らしが多いので、これをふわりと敷けば何とも言えない極上の気分が生み出されてくるのではないでしょうか。

暮らしを充分に支えて親から子へ受け継がれながら使われ、100年以上は永続的に使われるというこれらの特徴は伝統の暮らしの知恵から生み出されたものなのです。

タイトルとURLをコピーしました